”感情的なつながり”がブランド戦略の中心に
20世紀になると、
アメリカとイギリスを中心に
ブランドは単なる「機能的価値」___
つまり
「製品の機能や品質を保証する記号」から
進化を遂げました。
消費者の感情やライフスタイルと結びつき、
”「共感を生む存在」”(=「情緒的価値」)へと
変化したのです。
この進化により、
ブランドはロゴマークやスローガンを通じて、
企業の価値観や世界観を発信する戦略を
確立しました。
例えば
・スローガンで、
消費者の心に響くメッセージを伝える
・ロゴマークで、
一目でブランドの理念を表現する
などによって、
消費者との感情的なつながりを
築くようになったのです。
こうした情緒的価値の確立が、
ブランド戦略の中心に
位置付けられるようになりました。
企業の社会的責任と、慈善活動の広がり
20世紀前半から中盤にかけて、
アメリカやイギリスでは
企業や富豪による慈善活動(※)が
広がりました。
※=フィランソロピー活動
これによりブランドは、
・社会的責任
・理念
などを消費者に伝える役割を果たすように
変化していきました。
その頃日本は…
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【1900年代~1940年代】
…ブランドの基盤づくり…
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▶︎商標制度の整備
1884年に商標条例が制定。
その後も活用が進み、国内企業が
商標やロゴを通じて
商品やブランドを識別する仕組みを確立。
例)キッコーマンやアサヒ、キリンが
国内外での競争力を高める
ブランドづくりを展開
▶︎輸出産業でのブランド構築
1900年代初頭から、
織物(西陣織など)や陶器、有田焼といった
工芸品が海外市場で評価され、
日本製品のブランド価値を向上。
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【1910年代~1940年代】
…広告の普及…
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▶︎印刷技術の発展による広告の進化
1910年代以降、
新新聞広告やポスターが普及。
企業がブランド認知を高めるための
手段として広まる。
広告活動は国内だけでなく、
輸出向けプロモーションにも活用。
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【1920年代~1940年代】
…社会貢献活動の芽生え…
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▶︎渋沢栄一が提唱した「道徳経済合一説」
1920年代以降、
「企業は利益を追求するだけでなく、
社会に還元すべき」
という理念が広がる。
例)富豪や企業が教育や医療分野への
寄付活動を行い、企業の社会的責任への
意識が徐々に浸透
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【1945年~1960年代】
…戦後復興期のブランド形成…
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▶︎「メイド・イン・ジャパン」の信頼性向上
戦後、国内外で日本製品の
品質向上が図られる。
家電や自動車が新たな産業分野で
ブランドを構築。
例)ソニーの家電革新、
ホンダのオートバイ、トヨタの信頼性
▶︎消費文化の形成
1950年代-1960年代、
日本にも大量生産・大量消費の波が到来。
ブランドを通じて消費者の生活を豊かにする
取り組みが進む。
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