【歴史からブランドを読み解く004】 10世紀〜、熟練工組合「ギルド」のブランド意識の高まり


ブランド強化で貢献する同業者組合の誕生


<<< 前の記事を読む
次の記事を読む >>>


中世ヨーロッパの熟練工たちは

 

 「自分たちの名前に

 傷をつけるわけにはいかない」 

 

という強いプロ意識を持ち、

 同業者組合=「ギルド」を結成しました。 

 

自らの紋章を製品に刻むことで

彼らは品質と技術を守るために活動し、 

その商品が自分たちの技術力と品質の

象徴であることを示しました。

このギルドの設立目的は、

職人や商人自身だけではなく

市民、国や公的機関それぞれの利益に

貢献するためでした。

1. 職人や商人自身のため

-利益保護

 過度な値下げ競争を防ぐために価格を統制し、

 劣悪な商品が市場に出回らないよう品質基準を設定しました。

-教育と技術の継承

 後継者の育成に力を入れて、

 技術の継承を通じて産業の持続可能性を
 高めました。


-労働環境の改善

 労働時間や報酬を調整して、

 職人たちが安定した環境で働けるよう
 努めました。

 

2. 市民のため

-品質保証

 商品の品質や重さを統一して、
 市場における信頼性を向上させました。

-価格の安定

 市民が公平な価格で商品を
 購入できる環境を整備しました。


-地域経済の発展

 雇用機会を増やすことで
 地域の経済発展を支えました。

 

3. 国や公的機関のため

-税収の安定

 ギルドを通じて税収が確保されることで、

 国家や自治体の財政基盤を支えました。


-
社会秩序の維持:

 経済活動が秩序立ち、

 公的機関が特定産業を管理するための
 仕組みが整いました。


-
経済政策の一環:

 行政はギルドを活用して特定産業を奨励して
 輸出入を管理しました。
 一部のギルドには王から特権(特許状)が
 与えられ、特定の権利を享受する例も見られました。